ボランティア日記バックナンバー 2009年1月〜2010年3月
スタッフの殿岡です。今日は、センターの機関誌『情報誌・障害をもつ人々の現在』70号の発行日です。今年度3回目の発行です。センターの機関誌となって9年、私が情報誌を個人発行はじめてから12月で、丸15年になりました。
個人発行をしていた頃は、身近な方を中心に購読いただき、支えていただきました。今の情報誌の基礎ができた時期です。センターの機関誌になってからは、多くの障害学生の先輩方がメッセージを寄せていただき、さらに発展してきました。編集体制も拡充して、レイアウト、写真、イラストなど、紙面が充実してきました。今年はスタッフ・ボランティア一同、表紙のデザインにもチャレンジしています。
今回も充実した記事が揃いました。是非読んでみてください。
情報誌のページ
こんにちは。スタッフの西村です。明日から9月だというのに、毎日が本当に暑いですね〜。皆さんはお元気ですか?
今朝、我が家のベランダであった、とってもうれしいことを書きます。
日当たりがよすぎる南向きのベランダには、7種類ほどの植物があります。そして今、白やピンク、赤など、数種類の花たちが咲いています。朝、水やりをするたびに心を和ませてくれていた花たちも、最近は元気がありません。暑さに少しやられぎみ。お水をあげても、葉っぱに元気がなくて色があせてきたり、咲いているお花に力がなかったり。夏の終わりということで、ちょうど盛りを過ぎているせいもあるのかもしれません。毎日の水やり中には、葉っぱやお花を観察しています。でも、元気のなさにちょっと心配。私の体に比例しているのかな?
そんなことを思いながら、今朝も観察。バラは葉っぱが茶色くなってきて、葉の数も減っています。大丈夫かな? そう思ったとき、視界の左端に赤いものが飛び込んできました。よく見ると、赤いバラの花が一輪、しっかりと可愛らしく咲いています。いつの間に?
本当にびっくりしました。葉にばかり目がいって、つぼみには全く気づいていなかったからです。しかも、小さいながらも元気に咲いているお花。それを見た瞬間、気持ちがぱ〜っと晴れて元気になりました。
この春に買ってきたミニバラの鉢植えは、6月の花の季節が終わると元気がなくなる一方。環境が変わったせいなのか、私の育て方が悪いのか、本当に自問自答の毎日でした。インターネットで調べては、いろいろ試しましたが、効果はほとんどありません。毎日こんなに暑いし、秋に花を咲かせるのは無理かな〜と、半分ぐらいあきらめ掛けていました。そんなときに思いがけず咲いてくれたお花だったので、本当にうれしかったんです。そして、よく見ると、枝の先にはいくつかのつぼみがしっかりとついていました。静かに力を蓄えて、時期がくると可憐に咲く花の強さにハッとさせられました。
そしてバラを見ながら、こんなに暑い中でもがんばっているんだから、私もがんばらなきゃ、と体に力がみなぎる感じがしました。最近は忙しすぎて、見てるつもりでも、見えてないことがいっぱいあったのかもしれませんね。朝の一時を大事にしたいと思いました。
ボランティアの吉多です。先日、スタッフ2人と一緒に、大学のオープンキャンパスに行ってきました。そのときの報告です。
駅の改札を出ると、そこには学生3名が同じピンクの統一ユニホームで受験生たちを案内していた。学生に話しかけると、車いすで行くことを事前に伝えていたためか、一人の学生が「バスの乗車場所まで案内します」という。スクールバスは駅と大学の間を往復しているのだが、なぜか、われわれは経路の途中から乗車してほしいといわれている。学生の案内でその場所まで10分ほど歩く。
しばらくして、学校のほうから一台の大型バスが来て近くの空き地に止まった。バスには運転手と助手1人だけ。横のドアの内側床下からスロープを引き出す。2人がかりで車いすを押し上げ、中で固定してくれた。スロープを使うには広い場所が必要だったらしい。
到着した学校は要所要所にピンクの学生が立ち、丁寧に案内している。受付で資料一式の入った布製のバッグと冷やしたペットボトルを受け取る。特に自己紹介するわけではないから、われわれを彼らがどう見たかは興味あるところ。父兄か、高齢受験者か、われわれ3人の中に高校生と思われてもいい人がいたのかどうか。受付でほかの資料と一緒に障害者向けの「受験時の配慮希望申込書」をいただく。
受付を済ますとまず階段になった大教室での「大学説明・入試説明」の会場へ。8割がた埋まった会場の最前列に席を取り、大きいスクリーンに映し出される画像をもとに担当者のわかりやすい話を聞く。ここで大学の全体像を理解できたといえるだろう。
そのあと、障害学生の受験や学習について話を聞こうと、担当の部署を尋ねた。目的の場所に行って担当者と目が合うと「どうぞ」と招かれる。ここでは主に入学後の学習支援について丁寧に説明を受けた。
このあと時間的にお昼も回っており、食堂へ。当初配布された資料の中に学生食堂の無料券が入っており、それを使って食事。結構いける味。
午後からは、入試について聞くために、先ほどとは別の窓口に行った。そこではすでに受付でいただいた「受験時の配慮希望申込書」を中心に、入試における障害者への対応について話を伺う。
そのあと、ぜひとも参加したかったキャンパスツアーへ。図書館、談話室、フリースペース、体育館、情報室などを案内してもらう。案内はさすがに4年生で、1年生の助手がつく形。自分の体験も交え、わかりやすく上手な案内だった。われわれの団体の話をしておいたので、図書館にある対面朗読室のことや、体育の授業での車椅子バスケットや目隠しバレーなどの話も交えてくれた。
目的を果たした我々は、スクールバスで退散。どうも、オープンキャンパスのお手伝いは新入生が動員されているようで、それぞれの場所で案内してくれる学生はいかにも純真で丁寧。「つい数ヶ月前まで受験生だった彼らは、新しい受験生を案内するにはふさわしいかも」とわれわれの感想。
こんにちは。スタッフの西村です。夏本番!という感じですが、みなさんお元気ですか?
さて、センターでは、7月3日に初めての試みとして、障害をもつ人を対象にしたお菓子作りを企画しました。とはいっても、これは思いつき企画です。障害をもっていると、一般的な説明では分からない、普通のスピードについていくのが大変、周りの人に気兼ねしてしまうなど、なかなか普通のお料理教室には通えません。そんなことを考えていたとき、「こんな近くにステキな先生がいる!」と気づいたんです。それは、センターにボランティアでお手伝いに来てくださっていた方で、情報誌の連載「はっぴ〜タイム」に分かりやすいお菓子のレシピを書いてくださっている高橋さんです。思い切ってお願いしたところ、快く引き受けてくださいました。
今回はお試しということもあり、スタッフを中心に視覚障害者6名、健常者2名の参加でした。最初に先生のデモンストレーションを見たあと、2人でペアになって1台のスポンジケーキを焼いてデコレーションしました。
先生のデモンストレーションでは、見えなくても分かるよう、実際に手を持って動かし方を確認したり、いろんなタイミングで生地を触って感触を確かめたり。また、見えなくても泡立ちの目安がもてるよう、何分ぐらいかき混ぜる、何回ぐらいかき混ぜる、といった方法も、先生に考案していただきました。参加者同士でも、こういうふうにしたら簡単、こんな方法がある、と知っていることを共有し合って楽しく作ることができました。難しいスポンジケーキもフワフワに焼き上がりましたよ。
詳しいレシピは次号の情報誌69号で。こういう企画がまたできることを楽しみにしています!
情報誌のページ
介助者の木村です。
4月から先月までの3ヶ月間、フィンランドから世界大会銅メダリストの柔道家(5段)が来日しており、私の所属する道場に通い、稽古を共にしました。
その方は、30年近く柔道を続けており、礼儀作法に精通しており、力強いだけでなく様々な技を身につけていました。
共に稽古をする中で私たち日本人が日本文化や柔道の精神「柔よく剛を制す」を見つめ直す機会となりました。
またその方がドイツ人から学んだ特異的な技を伝授して下さったり、逆に日本人師範(6段)からお土産となる技を指導頂き、お互いに学び合うことができました。
いつも思うのですが、この3ヶ月間、私もその場で直接学ぶことができましたが、それだけでなく通訳という立場でもあるので、双方が伝えたいこと、学びたいことの懸け橋になれるということは幸せなことですね。
(参考)
・私の所属する道場のホームページで写真公開中
http://homepage2.nifty.com/KAKIOJUDO/katudou.html
・フィンランドから来た方の道場でも写真公開予定
http://www.judoseura.fi/
介助者の木村です。投稿がご無沙汰しており、すみませんでした。
介護福祉士試験に無事合格してホッとした今も何だか忙しい日々を送っています。関係者の皆様からは、受験勉強中に温かい応援メッセージを頂き、ありがとうございました。
さて、今回は最近感動したことをいくつか紹介したいと思います。
まずは、「障害をもつ学生交流会2010」です。前回会った時は、おとなしい高校生というイメージだったのに、大学生となり、様々な困難を乗り越えたからか、新たな目標ができたからか、非常に明るく積極的な姿を見ることができるなど、参加者の成長ぶりに感激しました。また、たった1泊2日の交流会で、障害をもつ学生さんが夢を語り合うまでに至ることや、ボランティアさんと障害の有無を乗り越えて意気投合する姿も印象的でした。
次は柔道のことです。私が通っている道場に、講道館でも指導される尊敬する師範がいます。先日その方が私に歩み寄り、次のようにおっしゃいました。
「木村先生が障害をもつ子どもにも根気よく熱心にご指導される姿に感銘し、私も新たに学ぼうと思い、関係者には隠れてヘルパー2級の研修に行っていたんですが、お陰様で先日無事、修了証書を頂くことができました。介護をする上での倫理観や認知症高齢者の気持ちに寄り添う必要性などを学んできました。私も柔道での指導に活かしたいと思います」と。師範のお言葉には、感激しました。道場という場でなければ、涙を浮かべていたことでしょう。
私にとっては、障害があろうとなかろうと、共に稽古に励む仲間は、日本の伝統文化を継承し、共に心身を鍛える大切な存在です。その想いひとつで取り組んできましたが、師範のお言葉をありがたく受け止め、今後の若手育成にも力を注ぎたいと思います。
情報誌のライターをしている、山さんこと山内です。
去る3月28日、私は放送大学の卒業式に行ってきました。発達と教育の専攻で、心理学を勉強して認定心理士の資格を取るつもりで、3年生に編入学してから6年が経ちました。既に大学を卒業していたので、放送大学の在学中に資格を取ることができました。でも面接授業でたくさんの素晴らしい先生たちに会えるので、可能な限り放送大学にいようと思っていましたが、とうとう卒業する年になってしまいました。
卒業式でとても心に残ったことがあるので、お伝えしたいと思います。一つは学長表彰を受けられたご婦人のことです。私よりもう少し年上のようで、60歳代の方だと思います。その方は専攻を早々に終えられてから点字の勉強を始めました。点字を習得されてからは、放送大学で学ぶ視覚障害学生のために、ボランティアとして点訳を始められました。そして“たんぽぽの会“と言うグループを作って、教科書や資料の点訳。またサポートの体制を築き、コーディネートなどもされていました。現在は視覚障害学生の皆さんの相談も受け持っておられます。それなりの年齢で、豊富な人生経験を持たれた、しかも同窓の学びの先輩として、その方はどんなにか視覚障害学生さんたちの良き相談相手になられたことでしょう。そのようにしてもう12年間も活動を続けておられるそうです。
もう一つは、卒業のお祝いのため歌を歌って下さった小椋桂さんのことです。「シクラメンのかほり」のあの小椋桂さんが、銀行を早期に退職されて、母校の東京大学で哲学を学んでおられたことは、ご存じの方も多いと思います。小椋さんの奥さんは、事情があって大学を卒業することができず、中退になっていたのだそうです。ご主人がいきいきと大学生活をする姿を毎日見ているうち、「挑戦して大学を卒業して、今までなんとなく感じていたコンプレックスから解放されてみたい。自分もやってみよう」と思われたそうです。そして放送大学に入られました。しかし、そんな“挑戦”とか“人生に折り合いをつけたい”という気持からスタートしたのが、いつの間にか学ぶことの楽しさにすっかりはまり、ルンルンで学生生活を送っておられたそうです。小椋夫人はわたしたちの先輩でいらっしゃいます。
小椋さんはお祝いに歌を3曲歌って下さいました。
小椋さんが作詞作曲された「人生の贅沢ひとつ」という歌の一節にこんな言葉がありました。
思えば学びは人間が味わえる
それ自体贅沢のひとつ
望めば学びは誰でもが手にできる
最高の贅沢のひとつ
“学び”は、“誰でもが手に出来る贅沢”、
そう。誰でも学びたいと思ったら学べるのが当たり前でなくてはいけないのです。